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.3.


なんとか機会を見つけて先輩の誤解を解かなくてはいけない。
俺は先輩に声をかけるきっかけを探していた。
そんな時、同僚のHが声をかけてきた。
『今日、飲みに行かないか?』
断る理由もなく、明日は休日という事もあって、俺はOKした。

結局、その日は先輩に声をかけることは出来ずに過ぎてしまった。
こんな事に気をもんでいる事が馬鹿らしくなったというのもある。
とにかく、少し日を置けば先輩の機嫌も直るだろし、同僚のHにもそれとなく伝えてもらおう。

仕事が終わり、俺達は一緒に会社を出た。
向かった先は、居酒屋チェーン店。
休日の前ということもあって込んでいるかと思ったが、それほどでもなかった。
時間が少し早かったというのもあるだろうか。
俺達は座敷に通され、とりあえず生を頼んだ。
生の前にとりあえずが付くようになった。

ジョッキが3杯目に入ったときに、女の子が一人やってきた。
Hの友人だそうだ。Hがさっき電話していたが、このことだったのだろうか。
一人交えて合計3人での飲み会が始まった。
しばらくして、Hが用事を思い出したとか言い出して、帰ってしまった。
べたべたな言い訳。気を使ってくれたのはわかるが、もう少しましな言い訳にして欲しかった。
しかし、もう大分飲んだという事で、俺達もすぐに解散という事になった。
彼女を駅まで送り届け、帰宅した時にはもうかなり遅い時間だった。
俺はそのままベッドへ倒れこむようにして眠りについた。

ふと目が覚めたときはまだ日は昇っていなかった。
少しふらつく頭をしゃっきりさせるため、コップ一杯の水を流し込む。
キーンと響く痛み。
それから、シャワーを浴びて、また少し眠った。

二度目の目覚めは、携帯電話の音によってだった。
『もしもし』
友人のSだった。
『もしもし。俺の妹にさ、お前のことを話したら、会いたいって言うんだけど、どう?』
俺の事を話した? どんな話をしたのだろうか。
しかしながら、断ると角が立つ。
『うん。いいよ。え? 今から?』
急な話だな。それに最近こういうの多いな。

続く



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