魔法の水

ある日いきなり友人から電話がかかってきて、
「400年に一度効力を発揮する魔法の水をかけてもらいにチベット行こう!」
と、言われた。
もちろん、二つ返事でOKした。

俺たちはチベットへ電車で行った。
俺は、道すがらその魔法の水の詳しい話を友人から聞いた。
その魔法の水は、400年に一度、しかも、一日だけ効力を発揮するもので、その水をかけてもらうと願いがかなうというもの。
しばらく電車に揺られた後、俺たちはチベットに着き、チベットの高僧を説得し、水をかけてもらえることになった。
水をかけてくれたのは多分ダライラマ。

俺たちの願いは決まっていた。
それは、空を飛ぶという事。大空を鳥のように自由に飛ぶというのが俺たちの望みだった。
水をかけてもらった俺たちは、チベットの大空を存分に楽しんだ。
そのあと、高僧たちにお礼を言って、家路に着くことにした。もちろん、飛んで

それから数日たったある日、その友人から電話がかかってきた。
「おい!あの、魔法の水の精製に成功したぜ!!」
俺は、大急ぎでその友人宅に向かった。
そこには、顔を真っ赤にして、いまだ興奮が冷めない友人がいた。
「これが、魔法のみずだ」
そういって、そいつはフラスコをふってみせた。
「おお!すげぇじゃん!」
たしかにすごいが、400年に一度じゃ話にならない。その水が効力を発揮する頃には俺らはどう考えたって生きてはいない。
友人は、そんな俺の気持ちを表情を見て悟ったのか、こういった。
「あとは400年という期間をどうするかだが、そんなものは問題じゃない。ちょっと考えればすぐに解決する。一番の問題はこのみずどうやって精製するかだったんだ」

何でも望みがかなう魔法の水。しかも、その有効期間はどうにでもなるらしい、つまり、毎日魔法が使いたい放題。
そんな、誰でも欲しがるものを世の中の悪人どもが放っておくはずが無かった。
当然のごとく俺たちは命を狙われることになった。
この水をやつらに渡すわけにはいかない。この水を精製してしまった責任もある。
そこで、俺たちは自販機の中に隠すことにした。
木を隠すなら森の中。自販機のミネラルウォーターの中身とすりかえることにした。
水はこれでいいとして、後は俺たちの問題だった。どこに隠れるか思案していたところやつらに見つかってしまった。
マシンガンで狙われる。どうしよう?

て、いうとこで目がさめた。
チベットに電車でいけないよ。とか、空を飛ぶって夢ちっちゃすぎ!とか、言わないでね。
だって、夢だから



Back