煙の向こう側


俺は超能力と言うものを否定もしなければ肯定もしない。

だから、今日ここに書くことはTV等に出てくる超能力者などを非難するものではない。一つの可能性だ。

そのことを踏まえたうえで読み進めていって欲しい。

では・・・・


誰もがTVの特集番組等で超能力者というものを目にしたことがあるだろう。

俺は、そういう番組を見るたびに思うのだが、もし、俺が超能力を使えたとして大衆の前でそれを披露するかどうか。

スプーンを曲げたりカードをめくらずに当てたり、そのような能力なら出てもいいと思うが、例えば、ちょっと念じただけで頭を吹っ飛ばせたり、相手の心がはっきりと見えたりしたら、俺は絶対にそれを誰にもしゃべらない。披露するなんてもってのほかだ。

ここにそういう人がいると仮定しよう。

その能力者たちはただひっそり暮らすか、はたまた政府などの大きな組織で、実験または作戦に参加している。

その組織としてはそのような実験や作戦を行ってることを秘密にしておきたい。

じゃあ秘密を守るためにどうすればいいか。

片っ端から超能力の情報をつぶしていく? 超能力の存在を真っ向から否定し、そんなものはないと言い切ってしまう?

どちらも効果的とはいえないだろう。じゃあ何が一番効果的か。

世間の目を別のものに向けさせ煙に巻いてしまうのが一番だ。

そのために、ごく小さな能力をもった人、または偽者を大衆の前に出す。

その偽者か本物かわからないような人たちが出ると、超能力と言うものに対して半信半疑になってしまう。

そこが狙いだ。

どっかのジャーナリストが能力者を使った実験や作戦の全容を暴いてそれを報道したとしても、それを真に受ける人は少ないだろう。

煙の向こうに何があるのか、それとも何もないのか。

もし、何かがあったときあらゆる可能性を考えておけば、目の当たりにしてもそれほど驚くことはないだろう。なにもなければそれでよし。

この世界にはまだまだ謎がある。それについてすべて否定したり肯定したりするのではなく、あらゆる可能性を想像してみてはいかが?



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